大麦は食物繊維が豊富で、その食物繊維の働きで血糖値やコレステロールの上昇を抑える効果があるとして、最近注目されている健康食材です。
しかし改めて「大麦ってどんなもの?」と聞かれると答えられない人が多いですよね。
同じ「麦」とつく小麦やもち麦などとの違いも気になるところです。
大麦を食事に取り入れるだけでコレステロール値が下がる効能があるというのは本当なのでしょうか。
そこで今回は大麦について、その効果や効能、コレステロール値を下げるとされている理由について調査していきたいと思います。
大麦ってどんなもの?
大麦はイネ科オオムギ属に分類される穀物で、お米や小麦、トウモロコシに次いで生産量が多い穀物です。
穂の形状により二種類に分けられます。
- 六条大麦
麦飯や押し麦といった雑穀米にしやすいように加工したものや、麦焼酎や麦みそに用いられます。
- 二条大麦
主にビールの原料として用いられます。
大麦の栄養素
大麦に含まれる栄養素についてみていきましょう。
大麦には食物繊維と炭水化物が多く含まれます。
他に鉄分や亜鉛、カルシウムやビタミンB1の含有量も白米より多いといわれています。
大麦の栄養素の最大の特徴は、食物繊維の含有量の多さです。
なんと白米の17倍にもなり、中でも特に多いのがβ-グルカンという水溶性の食物繊維です。
大麦はコレステロールを下げる?
大麦に含まれる食物繊維のうち、水溶性食物繊維のβ-グルカンにコレステロールを下げる秘密があります。
このβ-グルカンに注目して、その効果を詳しくみていきましょう。
①コレステロールの上昇を抑える | β-グルカンには血中のコレステロール値を下げる働きがあります。β-グルカンは腸内で消化吸収されずにコレステロールを吸着し、便と一緒に対外へ排出します。この働きにより血中のコレステロール値が下げ、動脈硬化や高血圧の予防につながります。 |
②食後の血糖値の上昇を緩やかにする | β-グルカンは水溶性の食物繊維のため、水に溶けてジェル状に変化して糖質を包み込み、消化吸収を緩やかにします。この働きにより血糖値が緩やかに上昇し、糖尿病や肥満の予防につながります。 |
③便秘の改善 | β-グルカンの水溶性食物繊維のはたらきにより、腸内の善玉菌が増えます。その結果腸内環境が整い、便秘の改善につながるのです。 |
④免疫力を高める | β-グルカンは免疫細胞であるNK細胞の働きを高める作用があります。免疫細胞の働きが高まると、免疫力がアップし、風邪やインフルエンザを予防してくれます。 |
⑤がんを予防する作用 | β-グルカンによる免疫細胞の活性化が、がん予防になるとされていて、実際にβ-グルカンを利用した抗がん剤が実用化されています。 |
大麦にはコレステロールを下げる働きだけではなく、体に嬉しい効果がたくさんあることがわかりました。
動脈硬化や高血圧、糖尿病など生活習慣病の予防のためにも食生活に積極的に取り入れたいですね!
大麦はコレステロールを下げる?まとめ
大麦に含まれる食物繊維のうち、水溶性食物繊維のβ-グルカンの働きによりコレステロールの上昇を抑えることがわかりました。
このβ-グルカンには他にも血糖値の上昇を抑えるなど、生活習慣病の予防にも効果のある素晴らしい食材です。
アメリカの研究では、1日に3グラムの大麦を摂取すると悪玉コレステロールを下げるという結果が報告されています。
いつもの食生活にも気軽に取り入れやすく、食べるだけで便秘解消やダイエットの効果が期待できるので、ぜひ積極的に摂取してみてくださいね!
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