イーストフードや乳化剤の不使用を売りにしたパンを目にする機会が増えてませんか。
朝はパン派というご家庭も多いでしょう。
パンには欠かせないイースト。
安心して使えるドライイーストというもあります。
その違いはなに?と思われた方、イーストフードとドライイーストの違いを知って、安心を手に入れませんか。
Contents
イーストとは何か
イーストとは、パンの原材料である小麦粉や糖分を栄養にして活動する、酵母のことで、生地のふくらみや香り、風味を生み出します。
イースト菌とも呼ばれています。
イーストは大きく2種類あります。
- 生イースト
- ドライイースト
生イースト
生イーストとは隠花植物系の微生物です。
乾燥に弱く、冷蔵保存が必須になり、賞味期限も短いので、家庭用の小売販売ではなく、多くはパン屋さんなどが使う業務用として販売されています。
ドライイースト
スーパーでもよく売られていますが、家庭でパンを作るときに使う一般的なイースト。
生イーストを乾燥させて、長期保存ができるようにしたものです。
ですから、密封して冷蔵庫に入れれば最後まで品質を落とさずに使えます。
イーストフードとは何か
イーストフードとは、生地改良剤とも呼ばれる添加物です。
簡単にいうと、イースト菌が活発になるためのエサのようなもので、特定の物質の名前ではないのです。
イーストフードを使えば、イースト菌だけの場合よりも数段膨らませることができます。
具体的な16種類の化学物質
- 塩化アンモニウム
- 塩化マグネシウム
- 炭酸アンモニウム
- 炭酸カリウム
- 炭酸カルシウム
- 硫酸アンモニウム
- 硫酸カルシウム
- 硫酸マグネシウム
- リン酸三カルシウム
- リン酸水素二アンモニウム
- リン酸二水素アンモニウム
- リン酸一水素カルシウム
- リン酸二水素カルシウム
- グルコン酸カリウム
- グルコン酸ナトリウム
- 焼成カルシウム
これらの物質を2種類以上組み合わせて、原材料名を「イーストフード」と表記することができます。
イーストフードは危険?!
イーストフードの16種の物質のうち、焼成カルシウム以外は合成添加物であり、摂取量によっては体にがいのあるものもあります。
例えば、塩化アンモニウムは大量に摂取すると、嘔吐や昏睡を引き起こす恐れのある物質です。
リン酸類は骨粗しょう症や心不全や心筋梗塞を引き起こす可能性もあります。
もちろん、人体に影響を及ぼすような量は使用されないとされています。
イーストとイーストフードの違い
イーストとイーストフードの違いをまとめてみると……
生イースト | ドライイースト | イーストフード | |
種類 | 生きた酵母 | 仮死状態の酵母 | 添加物 |
特徴 | 発酵時間のピークが早い
(長時間発酵させてしまうと風味が落ちてしまう) 保存できる期間が短い |
安定した発酵力
保存のしやすさ |
大量生産に向いている
小麦の量も少量なので安価 |
イーストは酵素の働きによって風味を作り出し、イーストフードは生地を改良するために使われます。
役割そのものが違うので、イーストをイーストフードで代用しているわけではありません。
ドライイーストの成分表にある乳化剤は危険なの?
イーストフードと同じく、健康によくないとされている乳化剤。
まず、乳化剤とは何なのかを説明します。
乳化剤とは何?
乳化剤とは、水と油は混ざりにくいため、水や油を細かくすることで分散し、均一に混合するための添加物。
実は別名が「界面活性剤」なのです。
乳化剤を添加すると、柔らかさも保つことができたり、保存料や防腐剤の役割も果たします。
その便利さゆえに、加工食品の多くに乳化剤が使用されています。
アイスクリームやパン、豆腐、ケーキ、ソーセージ、ちくわ、チョコレート、飴、ドレッシングや麺類、レトルト食品や錠剤にいたるまで、例を出すときりがないほどです。
乳化剤の種類
乳化剤は大きく分けて2種類ありますが、イーストフードと同様、いくつかの物質をひとくくりにした名称です。
植物原料から作られた乳化剤
- 植物レシチン(大豆油・菜種油・ひまわり油から分離)
- 大豆サポニン(大豆から抽出)料から作られた乳化剤
化学合成された乳化剤
- グリセリン脂肪酸エステル
- ソルビタン脂肪酸エステル
- プロピレングリコール脂肪酸エステル
- ショ糖脂肪酸エステル成された乳化剤
乳化剤の危険性
以前、乳化剤として使われてたグリシドール脂肪酸エステルは、発がん性があることがわかり使用禁止になりましたが、化学合成された乳化剤については、現在、危険性は認められません。
しかし、植物原料から作られた乳化剤では、大豆由来のアレルギーを引き起こす危険性がありますので、アレルギーのある人やまだアレルギーがあるかどうかわからない赤ちゃんには摂取しないように気をつけなければなりません。
まとめ
スーパーやコンビニエンスストアなどでもたくさんの種類が陳列されているパンですが、まずは原材料をチェックしたいですね。
とはいっても、イーストフードや乳化剤も健康上の被害の直接の原因となる報告は1つもないのが現状です。
毎日、毎食過剰に同じ物を摂取し続けるのは別として、美味しくて安いものがたくさん溢れている世間で、敏感になりすぎず、絶対ではなく、できれば避けたいものだと言えるでしょう。
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