縄文時代から食べられていたと言われる「栃の実」(とちのみ)。
栗と似ていて、煮たり焼いたりすれば美味しく食べられますが、残念ながらアクが強すぎてそのままでは食べられません。
こちらの記事では、栃の実のあく抜き方法や食べ方を紹介します。
栃の実(とちのみ)とは
栃の実は栗によく似ていますが全くの別物で、3~4cmほどのこげ茶の丸い実です。先端に尖りがなく丸くなっているという特徴があり、秋(10~11月頃)収穫されます。
とてもあくが強いため、煮たり焼いたりしただけでは食べられず、あく抜きをした栃の実の味はわずかなエグミと、ホクホクとした食感があり、昔は主食として食べられてきたそうです。
そして栄養価が高いことでも有名です。
- 胃の健康を保つ
- 肌の調子を整える
- 血糖値の上昇を抑える
- 活性酵素を除去する
活性酵素を除去する健康成分であるポリフェノールはブルーベリーのなんと約4倍も含まれています。
またコレステロールなどの増加を抑えてくれる作用を持っているので、生活習慣病の予防策に効果的なのです。
簡単なあく抜きの方法は?
- 虫を殺すために数日間水に漬ける
- 数日間天日干しで皮を乾かす
- 大きめの鍋で加熱し皮をむく
- 水に1週間ほど漬ける
- 木灰に熱湯を加えて、栃の実を加えて混ぜる
- そのまま保温状態で1日おく
- 水洗いして加工する
ここまで念入りにあく抜きをしてやっと食べやすい味になります。
栃の実の強いあくを抜く作業は時間と手間がかかり面倒な作業で、何よりも職人の勘が必要になります。
あく抜きした栃の実も販売されているので、購入したほうが手っ取り早いかもしれませんね。
どんな料理が合う?
一般的には栃餅や栃の実煎餅が有名です。
栃餅
栃餅は、あく抜きした栃の実をもち米と一緒に蒸してからついて、お餅にしたものです。
もち米だけでついたお餅よりも粘りが少なく、独特の風味や苦味があり、素朴な味わいがあります。
昔は米が取れない山村で主食としてよく食べられていましたが、やはり栃の実のあく抜きに大変な手間と時間がかかるため、現在では自分で作る人は少なくなっています。
完成された栃餅を購入して食べるのが一般的です。
砂糖醤油につけたり、お汁粉に入れたりなど、甘いおやつとして食べられることが多いですが、塩茶漬けにして食事として食べても美味しいそうです。
特に山形、福島、岐阜、鳥取など山が多い地域が名産地として知られており、お土産物屋や直売所などで栃餅が購入できます。
中にあんこが入った大福タイプが一般的です。
栃の実煎餅
栃の実煎餅は、その名の通り栃の実を混ぜて作った煎餅で、栃餅同様、独特の風味とザックリ感のあるパリパリ食感です。
栃餅と違い、家庭の味とはいきませんがお土産品として親しまれています。
こちらは煮出しタイプやペットボトルで販売していますので一番チャレンジしやすいです。
まとめ
調べれば調べる程、ご家庭で栃の実のあく抜きをするのは時間と経験が必要で、簡単な方法はないという事です。
あく抜き済みの栃の実を購入するか、栃餅や煎餅・お茶に加工された商品を購入することをおすすめします。
健康にも美容にも効果がある栃の実、手軽な方法で生活に取り入れてみてはいかがですか?
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