栃の実茶の効果や自宅での作り方について紹介します。
縄文時代から食べられている栃の実。
そのままでは強いえぐみがあることから、食材が充実する現代では食べる機会も少なくなりました。
しかし近年、栃の実には健康効果があることがわかり、積極的に摂取する方が増えてきています。
栃の実茶に興味はあるけど具体的にどんな効果があるの、家での作り方は、といった疑問にお答えします。
栃の実茶の効能
栃の実には非常に多くの効果があります。
まず栃の実に含まれるポリフェノールによる抗酸化作用です。
ポリフェノールには細胞が傷ついたり破壊されるのを防ぐ効果があり、老化抑制効果が期待できます。
栃の実には100gに1000mlのポリフェノールが含まれており、これはブルーベリーの約4倍といわれています。
他にもサポニンという成分が含まれており、これには高血圧、動脈硬化予防、糖尿病予防効果が期待できます。
栃の実に含まれるタンニンには整腸作用があり、漢方では乾燥粉末が胃痛軽減に使われてきました。
血糖値の上昇を抑えることからダイエットにも効果があり、女性に嬉しい成分が多く含まれるお茶でもあります。
ポリフェノール | 老化抑制効果(肌老化予防、美白) |
サポニン | 高血圧、動脈硬化予防、糖尿病予防、ダイエット |
タンニン | 整腸作用、胃痛軽減 |
栃の実のあく抜き
古くから食べられてきた栃の実ですが、そのあくの強さから食物が充実するにつれ、口にする機会は減ってきました。
かつて米がほとんど作られなかった山村では貴重な食物として川の流水に7日間浸けてあくを取っていましたが、現代ではなかなかそうもいきません。
早速その方法ですが、まず栃の実を二日間水に浸けます。
水は毎日取り換えてください。
その後1か月間、天日干しします。
そして皮をむくために2晩ほど水に浸けてふやかしてください。
ふやけた栃の実の皮をむいていきます。
包丁などを使い、削り取るように皮をむいていきます。
この時全て綺麗にむいてしまうと風味が減るので、少し手加減します。
むいた栃の実を、次は2週間水に浸けます。
この時も、水は毎日入れ替えてください。
その後、苛性ソーダに浸けてあくを抜いていきます。
栃の実を入れた水を火にかけ、沸騰させます。
火を止め、45度くらいまで冷まし、苛性ソーダを加えて1週間ほど置きます。
1週間はあくまで目安のため、味見をしてみるなどして、あくが抜けているか確認してください。
栃の実茶の作り方
自分であくを抜くのは大変ですが、あらかじめあくを抜いてある栃の実が手に入れば、栃の実茶は自宅でも簡単に自作できます。
まず、栃の実を一か月ほど天日干しして完全に乾かします。
しわが寄り、固くなるまで完全に乾かしてください。
乾燥させた栃の実を、フライパンで炒ります。
香ばしい香りがしてきたら完成です。
完成した栃の実茶は密閉できる容器で、湿気が入らないように保存します。
栃の実茶として飲む場合は、やかんにお湯を沸かし、弱火で5分ほど煮だして飲みます。
栃の実茶は香ばしく飲みやすいといわれ、その味を言葉で表現するのは難しいのですが、小豆のような風味を感じるという声もあります。
栃の歴史
栃の分布は日本全土に渡り、古くから食料や木材として親しまれてきました。
食料が乏しい時代には丹念にあく抜きを行って食され、人々を飢えから救ってきました。
実を食すのは日本だけともいわれており、日本人にとって食べたことはないけれど常に残り続ける食材として、現在でも知られています。
慌てる様子を「とちる」と表現するのは、栃の実で作られる麺類は固まるのが早いため、急いで綿棒をふるう必要があり、はたから見ると滑稽だということで「とちめく」と言われたものが次第に変化してできたと言われています。
現代も言葉として残り続けるほど身近であった栃ですが、あまり食用としては流通していませんでした。
様々な効能がある栃の実茶、是非自宅で試してみてくださいね。
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