夜のあいさつといえば「こんばんは」ですが、文字で書く時正しいのは「こんばんは」なのでしょうか?それとも「こんばんわ」?
この二つには何か違いがあるのでしょうか?
今回は「こんばんは」と「こんばんわ」の違いと、正しい使い方や語源などを調べてみました!
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結論から言うと「こんばんは」
正しい日本語としての表記は「こんばんは」です。
特に理由がなく、普通に挨拶をする場合や公用文、テストなどに記入する際は「こんばんは」と表記するようにしましょう。
ではなぜ「こんばんわ」という書き方があるのでしょうか?
まずは語源から順を追ってみていきましょう。
「こんばんは」は夜のあいさつの省略語だった!
そもそもこの「こんばんは」という言葉は、
「今晩は、ごきげんいかがですか?」
「今晩は、いい月が出ていますね♪」
など、夜に交わされる挨拶を省略して出来たものだったのです。
それが時代の流れと共に漢字も省略され、いつの間にか「こんばんは」になっていったのですね。
「言葉は生き物」といわれますが、普段使っているあいさつもこうやって生まれたのだと思うとちょっと面白いですね♪
「こんばんわ」は間違い?
ということは「こんばんわ」は間違っているのか……というと、そういう訳でもないんです。
実は昭和60年以前では、「こんばんわ」も同じように正しいとされていました。
なのでお年寄りの方などではいまだに「こんばんわ」と表記する人もいるようです。
ではなぜ今は「こんばんは」という表記が正しいとされているのかというと、昭和61年に文部科学省から「現代語仮名遣い」という公示が出されました。
以下はその一部になります。
2 助詞の「は」は,「は」と書く。
例 今日は日曜です 山では雪が降りました
あるいは または もしくは
いずれは さては ついては ではさようなら とはいえ
惜しむらくは 恐らくは 願わくは
これはこれは こんにちは こんばんは
最後の行にあるように「こんばんは」が正しいと政府からの通達で決まったのです。
とはいえ、今まで使ってきていたものをいきなり変えるのも大変ですよね。
今なお「こんばんわ」が残ってしまっている理由の一つといえるかもしれません。
「こんばんわ」に隠された日本人の心とは?
30年以上前に公示された「こんばんは」ですが、いまだに浸透しきらない理由は何でしょうか。
一説によると
- 「わ」は「和」に通じ、相手のことを大切にするという意味があるため
- 「こんばんわ」の方が親しみやすさを感じるため
などの理由があるようです。
私たち日本人は、聖徳太子の言った「和を以て貴しとなす」という言葉が示すように、「人との関係を大切にする」という民族です。
「本当に関係あるの~??」と思ってしまいますが、関係あるんです!
無意識レベルの親しみやすさを「和」という文字に持ってしまうため、「こんばんわ」という表記が好まれてしまうのですね。
そのためこの感覚を利用して、広告などでは「こんばんわ」という表現をあえて使っているのだそうです。
「こんばんは」と「こんばんわ」、どっちもアリならどっちでもいい!
そもそも、現代では多くの人たちが日本語にこだわりがなくなっているというのも大きな原因ではないでしょうか。
先に述べたように、言葉は生き物です。
もはや日常の中に多くの外来語が混ざりこんでいますし、カタカナ表記や横文字表記も当たり前のように使われる中で、「わ」か「は」か?という問題は、私たちを含め若者たちにとっては
「どっちでもいいじゃん!」
となってしまったのかもしれませんね。
「こんばんは」と「こんばんわ」どっちが正しい?まとめ
「こんばんは」と「こんばんわ」の違いについて調べてみましたが、意外なことに正解があることがわかりました。
とはいえ「こんばんわ」も日常的に用いられている以上、取り立てて気にするほどではないかもしれません。
もし意識的に使い分けるのであれば
- 基本的には「こんばんは」
- 親しみを持たせたいときは「こんばんわ」
と覚えておけばいいと思います。
悩んだ時には「こんばんは」と書いてくださいね♪
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